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多文化関係学会第10回年次大会

大会: 2011年 9月17日(土)・9月18日(日)
プレカンファレンス・ワークショップ: 9月16日(金)

大会テーマ
多文化社会日本の課題――共生と衝突が織りなす狂詩曲ラプソディ――
Challenges Facing Multicultural Society Japan: A Rhapsody Textured with Harmony and Dissonance

9月9日(土)本大会初日
招聘講演: 「多文化共生と動的平衡」
 講演者: 福岡 伸一(青山学院大学)
 司会: 林 吉郎(青山学院大学)

パネルディスカッション: ICT が拓く多文化共生の未来」
 パネリスト: 重野 亜久里(多文化共生センターきょうと代表)「ICT による多言語医療支援」
 パネリスト: 吉野 孝(和歌山大学)「ICT による異文化コラボレーション」
 パネリスト: 稲葉 光行 (立命館大学)「バーチャル空間を用いた日本文化理解支援」
 コーディネーター: 稲葉 光行 (立命館大学)

9月10日(日)本大会二日目
オープンフォーラム: 「大学院教育を考える――『文化』を学ぶ大学院生の現状と課題――」
 話題提供者: 石黒 武人(明海大学)
 話題提供者: 久保田 佳枝 (立教大学大学院)
 話題提供者: 猿橋 順子 (青山学院大学授)
 話題提供者: 岡部 大祐 (青山学院大学大学院)
 話題提供者: 石井 英里子(東海大学)
 話題提供者: 早川 佳乙里(上智大学大学大学院)
 話題提供者: 海野 るみ氏(明治学院大学)
 話題提供者: 山下 暁子氏(お茶の水女子大学大学院)
 コーディネーター:田崎 勝也氏(青山学院大学) 

震災ワーキンググループ: 「被災地の声――みえてくる多文化社会の課題と挑戦――」
 話題提供者: 李 善姫(東北大学)
 話題提供者: 金井 里弥(東北大学大学院)
 コーディネーター:渋谷 百代(埼玉大学)

9月16日(金)大会前日 プレカンファレンス・ワークショップ
「比較文化研究におけるバイアスの検証法―入門編―」
 講師: 田崎 勝也(青山学院大学)

大会委員長のご挨拶  抱井 尚子(青山学院大学)

 このたびの東日本大震災により、被害に遭われた地域の皆様におかれましては、心よりお見舞い申しあげますとともに、一日も早い復旧と復興をお祈り申しあげます。さて、多文化関係学会(JSMR: Japan Society for Multicultural Relations)の第10 回年次大会が、来る9 月17 日(土)、18 日(日)に青山学院大学(青山キャンパス)で開催されます。また大会前日の9 月16 日(金)には、同キャンパスにおいてプレカンファレンス・ワークショップが開催されます。
 多文化関係学会は、2002 年6 月22 日に青山学院大学で設立総会が行われ、その後10年を経て再び同大学で10 周年記念大会を開催する運びとなりました。この10 年間、国際社会においても日本国内においても、さまざまな「価値観」の衝突が生じ、それらを克服するべく共生への取り組みが、かつてないほど重要な課題となってきています。たとえば国際社会では、宗教的・経済的な価値観の対立がテロや武力衝突を引き起こし、日本もそれらの問題と無縁ではありません。また、便利さや豊かさを希求する人間の価値観が、人類と自然環境との共生を困難にしています。さらに本年に日本で起こった大震災は、科学技術に依存する現代社会のあり方に対して自己反省を促すとともに、日本文化において継承されてきた伝統的価値観の貴重さが改めて国際社会に評価されるきっかけとなった出来事であると言えます。
このような状況の中で開催される本大会においては、「多文化社会日本の課題―共生と
 衝突が織りなす狂詩曲(ラプソディ)―」(Challenges Facing Multicultural Society Japan: A Rhapsody Textured with Harmony and Dissonance) という全体テーマを掲げました。一日目は、「共生と衝突」の概念に関する根源的な問い直しのきっかけとして、生物学者の福岡伸一先生による招待講演を予定しています。また、文化的な共生と科学技術とのかかわりについて考えるため、日本国内での多文化共生に関わる実践家と、情報技術分野の研究者を招いたパネルセッションを予定しています。二日目は、「文化」研究を行う上で大学院生が直面する課題を通して大学院教育のあり方について議論します。さらに、大震災の被災地からスピーカーをお迎えして、多文化共生の視点から、震災後に起こった諸問題や被災地の復興について、研究者や実践家がどのような貢献ができるのかという点について議論する予定です。その他にも、比較文化研究におけるバイアスの検証方法をテーマとする大会開催前日のプレカンファレンス・ワークショップ、日本らしさとヒップホップダンスの融合を目指したパフォーマンス実演を披露する懇親会も予定しております。
 学会発足10 年という節目の年に開催される本大会が、研究者および実践家の皆様にとっても、日本社会におけるさまざまな文化の「共生と衝突」について考え直す節目となれば幸いです。

第10回年次大会の詳細につきましては、こちらからご覧いただけます。
http://yasunarikono.com/jsmr2011/

関西大学 大会委員長、久保田真弓