MENU

全国の地区別研究会のご紹介

Introduction of regional study groups in Japan

関東地区研究会

2020年度 関東地区研究会のお知らせ

多文化関係学会 2020年度 関東地区研究会のお知らせ

【日時】2021年2月21日(日)13時30分 – 15時
【開催方法】Zoomを用いたオンライン開催
【題目】翻訳の遍在性・多義性と領域横断可能性の検討:新たな問いを発見するために
【講師】齊藤 美野先生・岡部 大祐先生(順天堂大学国際教養学部)

こちらのフォームより2月18日(木)までにお申し込みください。

(申込者には、事前に ZoomのURLをメールでご案内いたします。)
問い合わせ先: kantomulticultural<AT>gmail.com <AT>を@にしてください。
*************************
【内容】
翻訳は、「多様な文化の相互作用」(学会ウェブサイトより)に関わる可能性は高いだろうか。本講演は、翻訳が異文化間のやりとりについて考究する際の一つの視点となり、新たな問いの発見を促すものとなる可能性を、すなわち翻訳学と異分野の領域横断可能性を、翻訳の遍在性と多義性の2つの側面を踏まえて、参加者とともに探る機会としたい。翻訳の遍在性とは、私たちの暮らしのなかに翻訳によって成り立っているものが数多存在するということである。私たちは、翻訳との関わりを意識しないまま、何かを享受していることが多々ある。書籍や映像作品などは訳出物であることがわかりやすい一方、報道やマニュアル、またこの文章を書いている言語である日本語の成立にも、翻訳が関わっていることは比較的意識に上りにくい。そういった普段は意識しないものまで含め、さまざまな事柄に翻訳が関与していることを前提とすれば、異分野を専門とする各人の研究対象にも、翻訳が関わりをもつ可能性を検討する価値はあるのではないだろうか。2つ目の側面として挙げた多義性は、翻訳が異言語間のことばの置き換えにとどまらないことにある。広義の「翻訳」概念においては、同言語使用者間のコミュニケーションであっても、翻訳行為が関わっていると考えることが可能であり、多様なコミュニケーションを「翻訳」として考察しうる。以上の2側面を齊藤が提示したうえで、翻訳学と異分野の連携方法を、またそこから新たな問いが発見される可能性を、コミュニケーション研究を専門とする岡部と検討する。参加者の方々のご専門分野との領域横断可能性についても、ともに考える時間を設けたい。

※カメラオンでのご参加をお願いする可能性があります。差し支えのない範囲で、お願いできましたら幸いです。

【講師】

齊藤美野 (SAITO, Mino)
順天堂大学国際教養学部准教授。立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科博士後期課程修了。博士(異文化コミュニケーション学)。専門は翻訳学。明治期の翻訳作品や、文学作品を中心に、文化・社会・思想面から翻訳研究に取り組む。著書に『近代日本の翻訳文化と日本語:翻訳王・森田思軒の功績』(2012)ミネルヴァ書房。

岡部大祐 (OKABE, Daisuke)
順天堂大学国際教養学部異文化コミュニケーション領域講師。青山学院大学大学院国際コミュニケーション専攻博士後期課程修了(博士(国際コミュニケーション))。主な研究領域は(ヘルス/異文化間)コミュニケーション、談話社会心理学、社会言語学等。監訳書に『グラウンデッド・セオリーの構築』[第2版](原著:キャシー・シャーマズ)(2020)ナカニシヤ出版。