MENU

全国の地区別研究会のご紹介

Introduction of regional study groups in Japan

九州地区研究会

2020年度第1回 九州地区研究会報告

日 時:2020年9月19日(土)13:00~15:00
場 所:オンライン(Zoom)開催
話題提供者:参加者全員
テーマ:「遠隔授業について語ろう!次の学期に備えるために」

【実施内容】
9月19日、多文化関係学会九州地区研究大会 「遠隔授業について語ろう!~次の学期に備えるために~」がZoomによるオンライン形式で開催され、12名の参加者及び九州地区委員2名の合計14名が参加した。本研究会の目的は、新型コロナウィルス下で実施されている遠隔授業に関して、参加者が取り組んでいる異文化理解教育や外国語教育の実践の中で経験した気づき、問題点、今後の課題について、参加者間で自由に意見交換を行うことを通じて、遠隔授業を今後行っていく上での示唆を得るというものであった。 会合では、準備されたGoogleスプレッドシートに参加者が自己紹介文を記入し、一人ずつ遠隔授業の経験、問題点、利点等につき自由に述べた。遠隔授業に関する経験の内容として、リアルタイムで行った科目とオンデマンドの科目の効果の違いや、Zoom等のオンライン授業のツールの使い分けに関する感想やノウハウ、授業記録の蓄積の活用法等に関するコメントが寄せられた。また、授業中の「顔出し」の是非やその効果、テキストを遠隔で授業を受ける学生に配布する際の方法、著作権などの課題、学生の課題、答案へのフィードバックの整理等について体験談が述べられた。さらに、「遠隔授業のメリット・デメリットとして、遠方から気軽に参加できるという利点があるが、個別の指導がやりにくい」や、「学生・留学生の間でITスキルの習熟度のちがいが見られるものの、オンラインでの授業は出席率がよかった」、「Zoom のブレイクアウトセッションのほうが、制約の多い現在の対面方式の授業よりも授業の質が高かった」という声も聞かれた。

この後、予定されていた小グループによる討論の代わりに質疑応答が行われ、「オンライン授業は今後も継続すると思われるか」という質問や、「社会人向けのリカレント教育では遠隔授業は好評であるが、オンラインでは、ライブで行う授業と共に反転授業も同時に重要になっていくため、今後はそれらの組合せを考えていくことが必要」という意見が出された。今回のオンラインによるオンライン授業に関する研究会は、コロナ渦のため一斉に導入された遠隔授業をめぐる意見交換の場となることで、これまで参加者が感じていたオンライン授業に関する問題点や疑問点を共有し、その要点を整理できたという点で有意義であった。遠隔授業やオンラインミーティングは、新たな手法に不慣れであることや、バーチャル空間における交流がもたらす違和感により、それを交流の手段として飼いならしていくためにはさらに時間が必要であろうが、今回の研究会は、それぞれの地域からウェブ上のツールを活用し、課題を共有したり、それらについて議論したりすることができたという点で、この手法の利点を改めて認識する機会となった。

 報告者:石松 弘幸(佐賀大学)