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全国の地区別研究会のご紹介

Introduction of regional study groups in Japan

九州地区研究会

2016年度 九州地区研究会のお知らせ

日時:2017年3月22日(水)14時〜16時
場所:九州大学西新プラザ 中会議室
福岡市早良区西新2-16-23 TEL 092-831-8104
http://nishijinplaza.kyushu-u.ac.jp/access.html(アクセス)

話題提供者:石黒武人(順天堂大学国際教養学部准教授)
タイトル:「質的データ分析の精緻化に向けて ~言及指示から社会指標へ~」

発表概要:近年、ライスストーリー研究にミクロ社会学のゴッフマンの分析概念が援用されるなど、データ分析における領域横断的な試みが実践されている。そのような試みの一例として、本発表は、社会学的研究(ライフストーリー・インタビューやグラウンデッド・セオリー・アプローチなど)に、談話分析や言語人類学の分析概念(e.g., フレーム、コンテクスト化の合図)を接合することで、質的インタビューのデータ分析を精緻化する試みの一つを紹介するものである。具体的には、インタビューで「語られたこと」を整理する言及指示的側面に焦点を当てた分析から、インタビューという相互行為で指標される社会関係、文化、アイデンティティ、すなわち、社会指標的側面の分析に重点をシフトしたアプローチを示し、データ分析をより精緻で立体的なものとし、「厚い記述」へ近接する試みである。データとして、複数の国籍を持つメンバーが所属し、多文化が交錯する組織で働く日本人リーダーに対するインタビュー・データを用い、談話分析や言語人類学の分析概念を用いずに行う分析と用いた分析とで何が変わるのかを例示したい。さらに、参加者と発表者で実際にデータの分析に取り組み、他領域の分析概念を導入、援用する利点や難点について議論し、さらに、質的データ分析全般についても意見を交換する予定である。

話題提供者:石黒武人(いしぐろ たけと)順天堂大学国際教養学部准教授。立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科博士後期課程修了(異文化コミュニケーション学)。ライフストーリー・インタビュー、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ、談話分析などの質的研究法を用いて様々な研究を行っている。論文に「異文化間の関係構築におけるトランスカルチュラル・アイデンティティの表出構造:映画『グラン・トリノ』において観察されるアイデンティティ・ワークの談話分析」(『異文化コミュニケーション』18号, pp. 15-34.)、著書に『多文化組織の日本人リーダー像:ライフストーリー・インタビューからのアプローチ』(春風社、日本図書館協会推薦図書)などがある。

参加費:無料
参加申込&お問い合わせ:メールでお願いします。
担当 山田直子(佐賀大学) yamada◎cc.saga-u.ac.jp(◎を@にしてください)