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全国の地区別研究会のご紹介

Introduction of regional study groups in Japan

中国・四国地区研究会

2011年度 中国・四国地区研究会報告

場所: 岡山大学・文化科学系総合研究棟・総合演習室2

テーマ:「在日コリアン研究における心理学的な視点の可能性を探る-二文化への態度を読み解く-」 (Probing the Feasibility of Psychological Perspectives in Research on Korean Residents in Japan: Understanding Attitudes Toward the Two Cultures.)

話題提供者:李正姫(イジョンヒ)(Lee Jung Hui)

発表素材:在日コリアンに関する、心理学的な研究視点の持つ可能性についてお話をうかがうことができました。従来、社会や教育などの分野では盛んに取り上げられてきた在日コリアンですが、心理学的な研究は極めて乏しい現状にあります。在日コリアンでは、二つの文化をどう個人の中で位置づけ、自らをどう称していくのか、それぞれの文化との接し方とメンタルヘルスとの関連はどのようになっているのか。また二文化の統合の概念や自由人の概念は、在日コリアンではどのように解釈されていくのか。彼らの日本滞在を巡る複雑な心理については、関連領域からの示唆は得られていても、精緻な心理学的な研究はあまり蓄積がありません。他国の移民などの異文化滞在者研究に比して、未だに心理学的な解明が乏しく、研究は手探りです。話題提供者が、探索的な研究から開始して、研究のパラダイムを見いだしつつあるという興味深いお話を、具体的な研究の例とともに聞くことができました。
文責(田中 共子)