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全国の地区別研究会のご紹介

Introduction of regional study groups in Japan

中国・四国地区研究会

2010年度 中国・四国地区研究会報告

場所: 岡山大学・文化科学系総合研究棟・総合演習室2
テーマ:「第二言語、第三言語の使用と異文化適応」
     Using L2 and L3 and Cross-cultural adaptation

話題提供者:ミラ・シミッチ-山下(Mira Simic-Yamashita) 岡山大学社会文化科学研究科研究員
ミラ・シミッチ-山下さんは、東欧のセルビア出身で、現在日本に住み、日本語と英語を用いて、心理学の研究活動を展開中しておられます。ベオグラード大学をご卒業後、岡山大学で博士(文化科学)を取得された、セルビア語、英語、日本語のトリリンガルです。 今回は、在日留学生対象の、量的・質的手法を用いた一連の調査研究を総括して発表されました。この研究は、「第二言語としての英語、第三言語としての日本語」と異文化適応との関係を、WTC(willingness to communicate:意思疎通しようとする意志)の観点から解明しようとするものです。ホスト言語(日本語)と媒介言語(英語)では、異文化適応に異なる働きをしており、これらの二言語が一種のシーソー関係にあり、媒介言語の利便性の高さがホスト言語の習得や活用を低める可能性があること、社会生活や学術活動における言語的オルタナティブがホスト言語の必然性を緩和し、媒介言語に頼った独特の適応が促されていく可能性があることが注目されました。
日本語と英語を併用して、学部生も含む参加者全員が発言しながら質疑応答と議論を行い、日本社会の文脈下における社会文化的適応を再考する好機を得ました。地区会員以外の方にもおいで頂けて、幸いでした。討議後には、クリスマスツリーにぶら下げたお菓子を順に取り、また簡単なクリスマス風のケーキを暖かいお茶とともにいただき、和やかなひとときを過ごしました。
文責: 田中共子(岡山大学社会文化科学研究科)