大会準備委員会からのご挨拶

2015年1月15日

多文化関係学会 2016年度年次大会
テーマ:「多様性を育む社会―繋がりと協働の未来に向けて」
【開催日】 9月30日(金)(プレカンフェレンスセミナー)、10月1日(土)、2日(日)(本大会)
【会場】 佐賀大学本庄キャンパス(佐賀県佐賀市)

【大会準備委員会からのご挨拶】
この場をお借りし、2016年4月に発生しました熊本地震によりお亡くなりになられた方々へ心からのご冥福と、被災された皆さまへ謹んでお見舞い申し上げます。

2016年の年次大会は、佐賀で開催することになりました。2012年の神戸、2013年の埼玉、2014年の福島、2015年の岡山に続いて今回も地方での開催となります。

昼間の海

 

<プログラムの概要>

社会における多様性尊重の重要性が叫ばれて久しいにも関わらず、それが未だ私たちの日常に浸透していない実情があることは否めません。初日(10月1日)の特別講演では、コムスタカー外国人と共に生きる会の代表をお招きして、これまでの団体の活動と支援を実践していくうえでの課題についてお話いただきます。「コムスタカー外国人と共に生きる会」は「あらゆる人がその属性に関係なく守られる社会こそ、私たち皆が安心して暮らせる社会であり、外国籍住民の抱える様々な問題は、私たちみんなの問題なのだということを、 多くの方に理解してもらうために活動する」との理念のもと、30年前に設立されました。これまでの長きに渡り、アジアから日本に働きに来ている女性の相談や支援を行うNGOとして、外国籍住民が直面する様々な問題に取り組んでこられました。講演では代表の方にこれまでの活動の実践と今年の4月に発生した熊本地震における外国人被災者の支援活動についてお話をいただき、私達がめざすべき多文化共生の未来について考える機会を持ちたいと思います。

開催の地である九州地方は太古より大陸文化の窓口として歴史的、文化的にも重要な役割を果たしてきました。2日目に開催される学際シンポジウムでは、西九州の歴史や日本とアジアとの交流史を専門とする講師の方々をお招きし、各々の専門の立場からお話いただきます。先人たちが辿った道筋を振り返ることは、多文化社会の現代に生きるわたしたちに、きっと何らかのヒントを与えてくれることでしょう。

今回のテーマにある「協働の未来」には、多文化社会の実現に向けての協働と共に、多文化関係の研究と実践の未来を担う若手研究者の人たちへのエールの意味も込められています。そこで、本大会では、大学院生およびポストドクターの方々を対象にしたキャリアセッションを趣旨としたラウンドテーブルトークと、昨年度に引き続き、英語によるショートスピーチセッションとフロアとのディスカッションを目的としたラウンドテーブルディスカッションという二つの特別企画を設けました。また、9月30日のプレカンフェレンスセミナーでは、現在、脚光を浴びている研究手法の一つである混合研究法セミナーを開催し、多文化関係学研究におけるその実践方法と留意点について学びます。

夕方の棚田

 

<佐賀の風土と伝統>

皆さんは、「佐賀」と聞かれると何を思い出されるでしょう。2016年、有田焼創業400年を迎えた佐賀は、近年中国・韓国・タイを中心としたアジア各国からの観光客で大変にぎわっています。佐賀市は南に有明海を望み、北に天山と背振山を仰ぐ風光明媚な土地柄を誇ります。また、2015年7月に世界遺産への登録が決定した明治日本の産業革命遺産や弥生時代の遺跡で国の特別史跡である吉野ヶ里遺跡など多くの歴史的遺産があることでも有名です。佐賀へのアクセスは空路、陸路ともに大変便利です。新幹線をご利用の場合は、博多駅で特急「かもめ」「みどり」に乗り換え40分で佐賀駅に到着します。新幹線・新鳥栖駅で乗り換えの場合は15分で到着します。飛行機でお越しの場合は、福岡空港または佐賀空港のどちらも利用可能です。

今年、本学会は創設から15周年を迎えます。この記念すべき大会を悠久の地、佐賀で開催できることに感謝の思いを抱きつつ、大会準備委員一同、「協働」の精神のもと皆様方のお越しを心よりお待ち致しております。

秋のお寺

 

2016.5.16