大会準備委員会からのご挨拶

 2015年は岡山GAZOU4_t

2015年の多文化関係学会の年次大会は、岡山で開催することになりました。2011年東京、2012年神戸、2013年埼玉、2014年福島に続きます。岡山は交通の便利なところです。山陽新幹線の岡山駅には、「のぞみ」や「みずほ」「さくら」がとまります。直通で、新大阪からは約44分、博多(福岡県)は約1時間37分、東京からは約3時間12分です(おかやま旅ネットHPより)。四国も瀬戸大橋があるので、電車で行けます。高松(徳島県)から岡山まで、約58分です。山陰地方も電車で一本です。米子(鳥取県)から約1時間59分、松江(島根県)から約2時間30分です。さらに岡山空港には国内線、国際線が就航しており、岡山-羽田は1日11往復と便利です(岡山空港HPより)。札幌や沖縄からも、飛行機でどうぞ。

 

 文化と風土の魅力 GAZOU2_t

近年では、岡山の観光の魅力も知られてきました。海外客をもひきつける、倉敷の町並みや瀬戸内の多島美。島の風土に溶け込みたたずむ現代アート。瀬戸内国際芸術祭参加作品をめぐるアート・トリップは、美の巡礼者が絶えません。いにしえより続く吉備文化を素肌に感じる、身近な文化遺産巡り。山肌に点在する、飾り気のない温泉。少し南へ行けば、サイクリストの聖地といわれる、四国まで届く島巡りのサイクリングコース。牡蠣や小魚料理に代表される、豊かな海産物の愉しみ。晴れの国といわれる好天を活かした、桃や葡萄を初めとする果物王国の愉悦。こうした風土をお楽しみ頂く、格好の機会としていただければ幸いです。懇親会でも特産の大粒葡萄ピオーネ、評判のB級グルメひるぜんやきそば、地酒のきき酒コーナーなどが皆さんをお待ちしています。若い感性で企画する、ご当地スイーツを味わう交流のティータイムもお楽しみに。

 

 プログラムの概略GAZOU1_t (1)

大会プログラムですが、「グローカル世界と多文化関係-まちづくり、ひとづくりが拓く明日-」をテーマに、研究の最前線を見渡していきたいと思います。岡山は、国際貢献に力を入れている地域の一つでもあることから、地域企画の一つは、AMDA(アムダ)の特別講演です。災害や紛争発生時、医療・保健衛生分野を中心に緊急人道支援活動を展開する認定特定非営利活動法人で、世界30ヵ国の支部のネットワークを持って、多国籍医師団を結成しています。「救える命があればどこまでも」を合い言葉に、多文化の世界と繋がる話です。我々自身の研修も用意しています。プレカンファレンスは、AMDA MINDSから講師を招き、国際協力・国際貢献活動の講義とワークショップです。「多文化社会における国際協力の仕事論」と題して、国際協力の現場で長年にわたって経験されてきた実例をもとに、よく直面する課題と、それを克服するための技能や手法を、講義とワークショップ形式で学びます。この半日体験は、我々の理論と実際をつなぐ橋渡しの好機となるでしょう。岡山はまた、地域中小企業の海外進出意欲が高く、地に足の着いた多文化共生を目指す地域でもあります。日本と海外の都市が直接つながり、世界のローカルとローカルが無数につながる、いわばグローカルな視点の持つ可能性に思いをはせてみたいと思います。社会学など様々な領域の研究者が集う学際的なシンポジウム「地域をベースに多文化共生を考える」、留学交流や留学生教育に接点を持つ研究者と対話するテーマテックポスターセッション「留学生とまちづくりの未来」、そして若手が気軽に参加して英語のプレゼン力を磨くラウンド・テーブル「英語で語る私の研究」など、研究を語り合いながら今後の発展の芽を育てる企画を用意しています。

そして何より、学会の年次大会は、皆さん自身の研究発表と学術的な議論が主役です。それが活気に満ちた空間を形作って、何度でも参加したいと思える私たちの学会ができていきます。岡山大会で、多文化関係学の手応えと明日への希望を見つけてください。準備委員会一同、それを楽しみに準備に励みます。なお準備委員会は全国の学会員が、ITで繋がりながら準備を進めていくバーチャル委員会を構成して務めますので、ご協力よろしくお願いいたします。それでは、岡山でお目にかかりましょう。

2015.5.1